一般財団法人 北海道神経難病研究センターは、医療法人北祐会 北祐会神経内科病院(現:医療法人北祐会 北海道脳神経内科病院)創設者の故・濱田 毅 先生の遺志及び多くの協力者の志により設立されました。当財団には、北海道の神経難病医療に対する強い思いが込められております。
北海道における神経難病医療は、昭和48年、北海道大学脳神経外科 都留 美都雄 教授の下、田代 邦雄 先生(後の北海道大学神経内科初代教授)が、志を同じくした濱田 毅 先生(北祐会神経内科病院創設者)とともに立ち上げた北海道大学脳神経外科神経内科診療班から始まり、現在に至る発展を遂げました。神経難病患者が適切な診断、治療を受けられる医療体制も整いつつあり、神経難病患者を取り巻く環境も徐々に改善されてきました。
しかしながら、依然として神経難病の多くは病因、病態が解明されておらず、神経難病患者の環境においても広大な北海道においては必ずしも全て行き届いているわけではありません。
研究、治療に関しては遺伝子科学など基礎科学的分野での発展は目覚ましいものの、実際の患者を主体とした臨床研究の遅れは否めません。私たちは、原点に立ち戻り、患者を中心に総合的かつ包括的に神経難病医療を見つめ直す時期にあると考えております。
そのためには、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療福祉相談員、薬剤師、検査技師、栄養士、事務職員など多数の病院関係者および在宅医療、地域医療に関連するスタッフ、患者会を含めた社会すべてが、一人の患者さんを中心として各々の立場から関わる必要があります。そして臨床研究という場を共有することにより、協力し合い、明るい未来へとつながる希望も共有したいと考えております。
私たちは、皆さんの力を集結し、新しい神経難病対策の構築をめざし真摯に研究に邁進したいと考えております。